伝わるデザイン

文章のバリアフリー


プレゼンスライドに多少長い文章があっても、多少行間が狭くなっていても、読めるのだから大丈夫というのは優しくありません。多くの人が読めたとしても、一部の人は読めない場合があります。視覚過敏、ディスレクシア、ロービジョンなど様々な状況が近年知られてきていますが、個人差も大きいため、すべての人が読める状況を作ることは難しいのが現状です。しかし、少しずつでも読みにくいと感じる要素を取り除いていくこと、どんな工夫が必要なのか探っていくことは、バリアフリーやユニバーサルデザインを進めていく上で欠かせません。そして、それは、翻って、そのような困難のない人にとっても読みやすく快適な環境をもたらすことにも繋がります。完全に対応することはできなくとも、少しの工夫でより多くの人がより快適に読めようになるのであれば、環境を整えていこう、そんな時代が始まっています。

文章を減らし、重要なところは強調する

プレゼンスライドで長い文章をたくさん書くことは少ないのですが、まとめスライドの箇条書きなどで長めの文章を書くことがあります。あるいは、ポスター発表のポスターでは、その場に立っていなくても読めば内容を理解できるようにと、説明のために文章が長くなってしまうことがあります。どちらの場合もある程度は仕方のないことなのですが、実は

できるだけ文章を減らすこともバリアフリー化の手段のひとつです。感覚過敏の人の中には、情報量が多くなってくると処理することが難しい場合があります。プレゼンスライドなど自分のペースで読むことのできないものでは特に、文章量(情報量)を減らすことを心がけましょう。さらに、重要なところを強調することは、情報処理の手助けになります。文章を簡潔にして効果的に強調することは、誰にとってもありがたいことです。文字を減らすためには、写真やイラスト、図解などを使用するのが有効な手段です。

行間をあける

十分な行間をあけることは、バリアフリーの観点からも重要です。視覚過敏やディスレクシアの人には、文字が動いたり、行が歪んで見えることがあり、行間が狭いと文章を読み進めることができません。行間をあけることで読みやすさが改善されます。「読みやすくのタイポグラフィー」でも触れましたが、パワーポイントの初期設定は日本語で文章を書くには行間が狭すぎます。きちんと行間を調整するようにしましょう。

背景に色をつけるときは、文字を細くしすぎない。

背景に色をつけて文字を囲むことがありますが、このとき、文字の線が細いと背景色とのコントラストにより文字が読み取りづらくなってしまいます。背景をつける場合は、明朝体や細いゴシック体をを使うことは避けましょう。


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