箇条書きと段落

スライドやポスターでは箇条書きを作ったり、レジュメなどの配布資料では複数段落にわたる文章を書くことがしばしばあります。しかしながら箇条書きや段落は、書き方次第で、読むだけで疲れてしまうものになってしまいます。ちょっとした配慮と工夫で、格段に読みやすく、かつ美しくなります。

ここまでは、文章の行間・字間の設定に関して述べてきましたが、ここからは、箇条書き作成の注意点や、複数の段落を配置する場合のテクニックを説明します。段落や箇条書きは、適当に配置するのではなく、意味のある「揃え方」をして、意味のある「まとめ方」をして、「コントラスト」をつけることでさらに読みやすくなります。

箇条書き

箇条書きは、揃えて、まとめて、コントラスト

ただや闇雲に箇条書きを作ると、下左のようになっている場合がしばしば見受けられます。これは、ただ「・」をうって文を書いて、それらの文を並べただけです。このままでは、項目がいくつあるのかパッと見ただけではわからず、受け手への配慮が足りないといわざるを得ません。まず大切なことは「揃える」ということです。一つのテキストボックスないならば、このような問題は起きませんが、箇条書き毎に別々のテキストボックスを使っている場合には、必ず左側を揃えるようにしましょう。

きっちりと揃えても、やはりいくつの項目が存在するのかは直感的にはわかりづらいです。そこで次に、下の例のように、箇条書きの2行目以降を1文字分ぶら下げにし、文の開始位置を揃えます(インデントの設定)。箇条書きの「・」だけが外へ飛び出すことで、4つの項目が直感的に認識しやすくなります。WordやPowerPointの箇条書き機能を使えば、2行目はぶら下げになります。

コントラストをつけるとさらに読みやすい箇条書きになります。コントラストの付け方は様々ですが、例えば、「・」ではなく「●」を使ってコントラストを付けることで、箇条書きの開始位置をより認識しやすくなります。これでかなり読みやすい箇条書きを作ることができます。行頭記号に色を付けてもよいかもしれません。

さらに項目間隔と項目内の行間に差をつければ、項目ごとのグループ化がさらに強調されます。ここまですれば、読まずとも項目数を認識できるようになり、受け手への負担を減らすことができます。なお、項目間隔を取るときに空白行を入れてしまいがちですが、そうすると項目間が広くなり、全体としてのまとまりがなくなって読みにくくなります。項目間隔を拡げる場合は、「段落」の設定の「間隔」の値(段落後の値を変更するのがふつうです)を変更するようにしましょう。



段落

英文の両端揃えには要注意

大抵のソフトでは、段落の設定で、「左揃え」や「右揃え」、「中央揃え」、「両端揃え」を選択することができます。読みやすさや見栄えを優先するなら、日本語の場合も英語の場合も「左揃え」「両端揃え」を使うことが基本です。ただし、英文で、一行文字数が少ない場合には、両端揃えを避ける必要があります。

下の例のように、一行が比較的長い場合(①)には、両端揃えにしても問題ありませんが、一行が短い場合(②)には、両端揃えにしてしまうと、単語の組み合わせによってはワードスペースが空きすぎてしまい、可読性が低下します(デザイン的にも不格好)。このような場合は、③の例のように、左揃えにしましょう。右端がガタガタになることを恐れる必要はありません。

インデントは可読性を下げることも

「段落のはじめは1文字あける」という日本語のルールは、小学校で習うかもしれませんが、スライドやポスター作りでは、必ずしもそうしないほうがよいでしょう。1文字あけるのは、段落の開始場所をわかりやすくするためだと思いますが、学会発表用のポスターやスライドなどでは、短い文が多用されるので、毎回毎回段落のはじめに1文字入れていては、左端がガタガタになり、どこから段落が逆に始まるのかわかりづらくなります。

こういうときは、段落間の行間を広くすることで(グループ化することで)、段落ごとのまとまりをはっきりさせましょう。こうすれば、段落のはじめのスペースも必要なくなり、ガタガタした印象もなくなります。もちろん、読みやすさも格段にアップします。

1段落目にインデントは必要ない

日本語であれば、段落のはじめを1文字下げ、英語なら、半角数文字分のインデントを挿入するというのはとても一般的なルールです。このような処理は、段落の開始位置を認識しやすくするためのものなのですが、小見出しの直後の(1段落目)インデントは、左側がきれいに揃っていない印象を与え、あまりカッコよくありません。1段落目だけは、インデントがなくても段落の開始位置であることは明確ですので、1段落目には、ふつうインデントは必要ありません。各項目の1段落目のインデントを入れないだけで、少しだけ見た目がスッキリします。

2段落目以降だけにインデントを使うという処理はとても一般的です。科学雑誌や一般的な雑誌を見ればその効果が一目瞭然だと思います。

もちろん、ルールを重視する場合は、一段落目にインデントを入れても構いません。



改行の位置


一行の長い資料(Wordで作るような書類)などでは改行の頻度が低いので、改行箇所に気を配る必要はありませんが、一行が短く改行頻度が多くなりがちなプレゼン資料などでは、改行の位置に注意を払う必要があります。短い文や箇条書きでは、改行箇所に配慮すると飛躍的に可読性、判読性が高くなります。

単語の途中での改行を避ける

人は文字を読むのでなく、単語を認識しながら文を理解しているため、単語が改行で分断されうことは読み手にとっての大きなストレスになります。PowerPointなどの資料のように比較的頻繁に改行が生じる場合は、まず、単語の途中での改行をできるだけ避けるようにしましょう。

禁則処理をONにしておく

さらに細かな注意点もいくつかあります。下の例を見てください。「高温多湿を避け、」の読点(、)が2行目に入っています。これでは、とても読みにくくなります。ただし、文頭が読点になるような場合は、ソフト(WordやPowerPoint、Illustratorなどなんでも)の禁則処理により自動的に修正されることがほとんどなので、このような改行のミスは心配しなくてもよいかもしれません。(PowerPointでは禁則処理がOFFになることがしばしばあるので、要注意。)

まとまりのある言葉や句を生き別れにしない

次に配慮することは、まとまりのある単語や句を断絶しないことです。下の例では「呈示し、」という言葉が1行目と2行目に生き別れになっており、また、2行目の「、」の前に1文字しかないため、少々読みにくくなっています。このような改行は、ソフトの禁則処理で自動的に修正されることはありません。こんな場合は、「し、」のあとで改行すると、読みやすく意味も理解しやすくなります。なお、項目内(箇条書き内や段落内)で強制的に改行を入れる場合は、SHIFT+ENTERで改行しましょう。

次のような場合も同じです。「のは」や「ので」「には」「よって」「とって」などは、同じ行に入れた方が読みやすくなります。上の行に入れる方がより読みやすいはずです。

くどいようですが、もう2つほど例を出します。下の2つ例では、日本語として改行の箇所に大きな問題はないような気がします。しかし、ここで問題になるのは、文中の重要なポイントを、「太字にしたり」、「カギカッコで囲ったり」していることです。せっかく強調しているのに2つに分かれてしまっては、強調の効果が半減です。強調箇所を一塊ととらえ、この一塊を同じ行に入れるように努力しましょう。文を少し変えてもよいですし、単に改行の場所を変えてもよいです。



ちょっとだけの「はみ出し」がNG

1, 2文字が最後の行にはみ出すのもあまり格好がよくありません。わざわざ読むのもストレスがかかります。最後の行は句読点を含めて「最低でも3文字」ほどあった方が良いです。文字を減らしてはみ出しをなくしてもよいですし、文を少しだけ増やして最後の行にそれなりの文字を残してもようでしょう。

行長を変えること、解決することもあります。いずれにせよ、「ちょっとだけ」はみ出すのは不格好です。

最後に具体的な例

以下は、具体的な例です。改行の位置を気をつけるだけで、読み手の負担がかなり軽減されることを実感できるはずです。もちろん、誤読も減ります。右端が一直線に揃わないことは気にする必要はありません。つねに読みやすさを最優先しましょう。




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