伝わるデザイン

資料作成に、デザイン


研究者や研究に関わる大学生や大学院生は、一年を通じて研究室ゼミや学会などで研究成果の発表を行なわなければなりません。また、近年、科学者でない人たちに対する一般向けのプレゼンや講演(アウトリーチ活動)の機会も増えてきています。他にも、研究論文や報告書を書いたり、研究費調達のために予算申請書やプロジェクトの提案書を作成したりすることも、研究者にとって欠かせない仕事です。これらはいずれも情報を他者(研究仲間や審査員、一般市民)へ伝えようとする行為であり、正確かつ効果的な情報の発信が望まれます。しかし、自己流で資料を作成して、闇雲に情報を発信していても、スムーズに情報は伝わりません。ときには誤った情報が伝わってしまい、研究の価値を正当に評価してもらえないことさえ起こりえるのです。

shisaku

情報を正確にかつスムーズに他者に伝えるためには、情報をデザインすること、つまり文章を読みやすく整えたり、図表を見やすく作ったり、内容を反映したレイアウトを作ったりすることが不可欠です。情報をデザインすることは情報を整理することそのものであり、当然、情報を整理し見た目に反映させていく過程で、内容もブラッシュアップされていくというフィードバックを受けることが期待されます。

さらに、より多くの人に正確に情報を伝えるためには、受け手の多様性に配慮し、情報授受のバリアフリー化を進めることが欠かせません。不特定多数の人が目にするあらゆる資料において視覚的ユニバーサルデザイン化を進めていくことは多様性社会における情報授受の基盤となります。

本サイトの目指すところ

本サイトでは、資料作成に必要な情報デザインの基本ルールやテクニックを「読みやすく」「見やすく」「バリアフリー」の3つの項目にわけて紹介していきます。単に資料の見た目をよくすることではなく、情報デザインの普及とデザインリテラシーの底上げをすることを通じて、以下のことを目指します。

  1. 情報受信者の負担を減らし円滑な科学コミュニケーションが行なわれること
  2. すべての情報発信者が過小評価される(見た目で損をする)ことなく、真に内容によって評価されるようになること
  3. より多くの情報受信者が等しく情報を得ることができるように情報授受のバリアフリー化をすること

基礎的なテクニックは最も応用が効きます。回り道をしているように感じるかもしれませんが、基本さえ理解すれば、複雑なスライドやポスターも作ることができるようになります。また、本サイトではプレゼン資料(プレゼンスライド)の例が多くなっていますが、予算申請書などの作成にも役立ちます。もちろん、研究に関連した資料だけでなく、教育やビジネスの現場における資料作成にも役立つ内容になっています。


CONTENTS


はじめに

情報をデザインする


読みやすく

はじめに書体の使い分けフォントの選び方おすすめフォント文章箇条書きと段落約物と単位


見やすく

はじめにグラフと表画像と写真図解と描画レイアウト配色


バリアフリー

はじめに配色書体とフォント文章


実践

はじめに文書・レポートプレゼン資料ポスター発表資料




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