スライドやポスターにおいて、数値を強調したい場面はしばしばあります。このような場合、単位が大きすぎると、数値のインパクトがなくなってしまい、数値を認識・記憶しにくくなります。下の例を見ればわかるように、数字に対して単位を一回り小さくすると、認識しやすさが向上しインパクトが出てきます。もちろん、数字は日本語書体よりも欧文書体(今回はHelvetica)の方が認識しやすく、カッコいいです。
統計解析を行なったときに出てくる「標準偏差」や「標準誤差」も、重要性が低いような場合は、「平均値」よりも小さめに表示するとよいかもしれません(具体例は、ここにあります)。なお、文章中の数値ならば、このような対応は必要ありません。
下に例を2つ示しておきます。挿絵やグラフにおいては、単位を小さくすることはかなり効果的です。
和文の中で使う( )は、和文と同じ書体の全角のカッコを使いましょう。欧文書体(下の例ではTimes New Roman)を使ってしまうと、ベースラインがずれてしまうので、ガタガタした印象になりますし、カッコの前後にスペースが入らないので窮屈で読みにくくなります。同様に、和文中では、半角のコンマやピリオドを使うのを避け、全角の読点「、や,」や句点「。や.」を使うように心がけましょう。もし、どうしても半角のコンマやピリオドを使う場合には、記号の後に半角のスペースを入れる必要があります。半角カッコならば、その前後に半角のスペースを入れなければなりません。カッコの前後のスペースが気になる場合(大きい文字の場合など)は、字詰めを行なうか、プロポーショナルフォントを使うようにしましょう。Illustratorなら、<アキ>の設定を<ベタ>にすると、この余白がなくなります。
( )は意外とカッコ悪い。( )を使わなくて済む場合には、できるだけ( )をなくすとカッコよくなります。例えば下の例のように( )の代わりに「|」(縦棒)を使う方法があります。[ ]を使うのもよいでしょう。ただし、( )と|ではそれぞれ意味が異なりますので、注意してください。( )は補足、|は並列の意味で使うのがふつうです。
ここからは、少々細かい話になってきます。細かいですが、馬鹿にできません。こういう気配りの積み重ねで、読みやすさが変わります。
まずは、「?」と「!」などの文末記号。通常、日本語でこれらの記号を使うとき、全角で入力してしまいます。ただ、これだと、スペースが空き過ぎで、文と記号が独立しているように見えます。これでは読みにくいですし、勢い(緊張感)が出ません。丁寧に字間を詰めるのが好ましい方法かもしれませんが、文末の「?」や「!」などの記号は「半角」にするのも楽でよい方法です。このとき、書体は日本語の書体を使ってください。半角だからといって欧文書体にすると、別の問題が生じてしまいます。WordやPowerPointだと、自動的に英文書体に変更されてしまうかもしれませんが、いちいち日本語フォントに直しましょう。
明朝でも「!」や「?」は半角。下の例のようにゴシック体でも同じです。
コロンは英語の文章中では大活躍しますが、括弧と同様、デザイン的にはあまり美しくありません。また、あまり目立たないので、内容を直感的に理解するのにはあまり向いていないので、可能であれば、コロンなどの記号の使用は避けた方がいいかもしれません。例えば下のように、縦棒を使ったり、スラッシュを使ったりする手があります。コロンの前の単語を枠内に入れてしまうという方法があります。